バイク買取に必要な書類と手続き
排気量別、廃車手続き、
注意点まで徹底解説!

1) バイク買取に必要な書類と手続き

バイクを売ろうと思うけど、買取してもらう手続きや必要な書類が分からずに困っていませんか?実はバイクの買取に必要な書類はバイクの種類や状態によって変わってきます。
なぜなら、登録や名義変更など法的な手続きが必要だからです。
この記事ではバイクを買取してもらうときに必要な書類や手続きを【バイク所有者の状況別】【排気量別】【書類別】【各種手続き】について解説しています。

2)【バイク所有者の状況別】バイク買取に必要な書類 

2-1 ) 基本的に必要な書類

バイクを売ろうとする人が【成人】【バイクの名義が本人】である場合に必要とされる基本書類は以下の通りです。

・身分証明書(免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・標識交付証明書(125cc以下)
・軽自動車届出済証(126cc~250cc)
・自動車検査証(251cc以上)
・自賠責保険証明書(自賠責保険契約時にもらう証明書)
・印鑑(シャチハタ以外が望ましい)
・廃車証明書(廃車になっている場合)            

標識交付証明書や自賠責保険証明書がどこにあるかわからないという人はバイクの収納部を探してみましょう。
購入時や保険更新時に対応業者が入れてくれていることが多いです。
契約時の印鑑はシャチハタ系の印鑑は信頼性が弱くなるので好まれない傾向があります。朱肉に付けて押すタイプの印鑑を用意しておきましょう。

2-2 ) 未成年の場合に必要な書類

未成年が売買契約を行う際は【親権者の同意書】が必要です。同意書類は買取業者によって様式が決まっているので事前に準備する場合は買取業者からもらいます。
大手買取業者であればホームページに同意書のダウンロードが可能な場合もあるので検索してみましょう。

・親権者の同意書
・親権者の捺印
・親権者の身分証明書のコピ―
・自分の身分証明書
・親権者へ確認の電話(買取業者による)

2-3 ) 名義人が別の場合に必要な書類

バイクを売ろうとする人と、バイクの名義になっている人が違う場合、【委任状】が必要です。事前に譲渡が済んでいる場合は【譲渡証明書】が必要となります。
買取業者によって必要とされる書類は異なりますのであらかじめ確認しておきましょう。
基本的に必要な書類は以下の通りです。

・委任状(名義が変わっていない場合)
・譲渡証明書(名義が変わっている場合)
・名義人の身分証明書
・自分の身分証明書
・印鑑(シャチハタ以外が望ましい)

2-4 ) 基本書類の注意点

バイク買取時には名義変更や廃車手続きを代行してくれる場合が多く、何をどこまで行ってくれるかは買取業者によって異なります。そのため必要な書類も買取業者によって違いがあるので買取してもらう前に確認しておきましょう。

3) 【排気量別】バイク買取に必要な書類

3-1 ) 排気量と法律による車両区分

法的にバイクを区分すると【道路交通法】による区分と【道路運送車両法】による区分があります。
バイクを買取してもらうとき、必要書類関係するのは【道路運送車両法】による区分です。
それぞれ排気量の分け方も違い、似たような言葉があります。どちらの法的根拠による区分なのか混同しないようにしましょう。

道路交通法によるバイクの区分

道路交通法は、バイクの乗り方、人をメインにした法律です。
免許証の種類によって乗れるバイクの排気量が違ってきます。
自分がバイクを買うときには、欲しいバイクが自分の免許で乗れるか、ということで関係してきますが、バイク本体を売るときにはあまり関係ありません。

道路交通法によるバイクの区分
・原動機付自転車(50cc以下)
・普通自動二輪車(50cc~400cc)
・大型自動二輪車(400cc以上)  

道路運送車両法によるバイクの区分

道路運送車両法は道路を走行する車両をメインにした法律です。車両の区分や登録、車両にかかる税金、車両の使用方法などを定めています。
バイクを買取してもらうときに必要な書類や手続きに関係することが多い法律です。

道路運送車両法によるバイクの区分
・第一種原動機付自転車(50cc以下)
・第二種原動機付自転車(50cc~125cc)
・二輪の軽自動車(軽二輪)(126cc~250cc)
・二輪の小型自動車(小型二輪)(251cc以上)

3-2 ) 50cc~125の買取に必要な書類

50cc~125ccのバイクは道路運送車両法で、第一種原動機付自転車と第二種原動機付自転車があります。
どちらも原動機付自転車という区分で同じ書類と手続きになります。

・身分証明書(免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・【標識交付証明書】
・自賠責保険証明書
・印鑑(シャチハタ以外が望ましい)
・廃車証明書(廃車になっている場合)  

125cc以下のバイクに軽自動車届出済証、自動車検査証はありません。
バイクの登録を行いナンバーを発行した際にもらう【標識交付証明書】が必要になります。他の基本的書類は変わりません。

3-3 ) 126cc~250ccの買取に必要な書類

126cc~250ccのバイクは道路運送車両法で、二輪の軽自動車(一般的に軽二輪と呼ばれる)になります。

・身分証明書(免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・【軽自動車届出済証】
・自賠責保険証明書
・印鑑(シャチハタ以外が望ましい)
・【軽自動車届出済証返納証明書】(廃車になっている場合)

125cc~250ccのバイクに標識交付証明書、自動車検査証はありません。
バイクの登録を行いナンバーを発行した際にもらう【軽自動車届出済証】が必要になります。
廃車手続きが済んでいる場合、軽自動車届出済証ではなく【軽自動車届出済証返納証明証】が廃車証明となります。

3-4 ) 251cc以上の買取に必要な書類

251cc以上のバイクは道路運送車両法で、二輪の小型自動車(一般的に小型二輪と呼ばれる)になります。

・身分証明書(免許証、保険証、マイナンバーカード、パスポートなど)
・自動車検査証
・自賠責保険証明書
・印鑑(シャチハタ以外が望ましい)
・自動車検査証返納証明書(廃車になっている場合)

251cc以上のバイクに標識交付証明書、軽自動車届出済証はありません。
251cc以上では【自動車検査証(いわゆる車検証)】が必要になります。
廃車手続きが済んでいる場合、自動車検査証ではなく【自動車検査証返納証明書】が廃車証明となります。

3-5 ) 排気量別書類の注意点

【125cc以下】【126cc~250cc】【251cc以上】と、バイクの排気量別に登録方法が異なります。
125cc以下では車検証が存在しないように、違う区分の書類を探しても存在しません。
同じ登録に関する書類でも名前も内容も異なるので、自分のバイクの排気量を確認しましょう。

4) 【必要書類の詳細】解説

4-1 ) 本人確認書類

本人確認書類とは保険証、免許証、マイナンバーカード、パスポートなど公的な機関が発行元の証明書類です。
盗難車の売買や他人名義の売買を防止するために、契約を結ぶ人が名乗っている名前が本人であることの確認に使用されます。コピーや登録ナンバーを控えられることがあります。

4-2 ) 印鑑

シャチハタは不可と良く目にしますが、いわゆる【浸透印】のことです。
安価で容易に手に入り、材質の特徴から変形しやすく証明に不向きとされています。契約の際は朱肉を使用する印鑑を使用するのが一般的です。
譲渡証明など、法的に重要な書類に関して【印鑑証明】を求められる場合もあります。業者の取り扱い方にもよるので事前に確認しておきましょう。

4-3 ) 標識交付証明書

125cc以下のバイクを登録する際に発行される登録証です。
125cc以下の第一種二種原動機付自転車の登録は【市区町村の役所】で行います。
もし標識交付証明書を紛失してしまった場合、【登録を行った市区町村の役所】に届け出て再発行してもらいます。

4-4 ) 軽自動車届出済証

126cc~250cc以下のバイクを登録する際に発行される登録証と同じ役割をするものです。
126cc~250cc以下の二輪の軽自動車の登録は近くの【運輸局】で行います。
もし軽自動車届出済証を紛失してしまった場合、【登録を行った運輸局】に届け出て再発行してもらいます。

4-5 ) 自動車検査証

251cc以上のバイクは車検が必要になります。
自動車検査証により名義人の確認、納税状態の確認が行われます。他人名義のバイク、税金が未納のバイクは売買できません。
他人名義の場合、委任状や譲渡証明書が必要になります。
もし自動車検査証を紛失してしまった場合は【登録を行った運輸局】に届け出て再発行してもらいます。

5) バイク買取に関わる【手続き】

5-1 ) 売買契約の手続き

バイクを買取してもらうとき、状況によって順番は前後しますが基本的な流れは以下のようになります。

1.査定依頼
2.買取価格交渉
3.本人確認・バイクの名義確認・バイクの納税状況確認
4.納車(バイクの引き取り)
5.買取金の支払い
6.廃車届・名義変更

書類を必要とする手続きは売買契約です。買取金額だけではなく、買取した後のことで要確認事項があります。

・廃車手続き、名義変更は業者が代行してくれるのかどうか。
・契約後にバイク不備が見つかった場合の減額や契約不履行について。
・契約後キャンセルが可能かどうか、可能な場合はいつまでか。

上記3点はバイク買取後にトラブルになりやすいので、契約内容をしっかり確認しておきましょう。

5-2 ) 名義変更の手続き

125cc以下のバイクの名義変更

原動機付自転車の名義変更は市区町村の役所にて手続きを行います。

必要な書類と手続き
・軽自動車税(種別割)申告(報告)書兼標識交付申請書
・標識交付証明書
・譲渡証(旧所有者からの譲渡証明書)
・届出者の本人確認書類

125cc~250ccのバイクの名義変更

二輪の軽自動車の名義変更は運輸支局にて手続きを行います。
新しい所有者(元の所有者以外)が手続きに行く場合は【委任状】が必要になります。
運輸支局でもらう書類は運輸支局ホームページよりダウンロード可能です。

必要な書類と手続き
・軽自動車届出済証
・申請書(運輸支局でもらう)
・手数料納付書(運輸支局でもらう:手数料はかからない)
・譲渡証明書(運輸支局でもらう)
・委任状(運輸支局でもらう)
・新しい所有者の住民票(3か月以内発行)

251cc以上のバイクの名義変更

二輪の小型自動車の名義変更は運輸支局にて手続きを行います。
新しい所有者(元の所有者以外)が手続きに行く場合は【委任状】が必要になります。
運輸支局でもらう書類は運輸支局ホームページよりダウンロード可能です。

必要な書類と手続き
・自動車検査証
・申請書(運輸支局でもらう)
・手数料納付書(運輸支局でもらう:手数料はかからない)
・譲渡証明書(運輸支局でもらう)
・委任状(運輸支局でもらう)
・新しい所有者の住民票(3か月以内発行)

5-3 ) 廃車手続き

125cc以下のバイクの廃車

原動機付自転車の廃車手続きは市区町村の役所にて行います。

必要な書類と手続き
・標識交付証明書
・ナンバープレート(返納する)
・軽自動車税廃車申告書兼標識返納書(市役所でもらう)
・廃車申告受付書(市役所でもらう)
・印鑑

手続き終了後【廃車証明書】を受け取ります。原付の場合廃車は永久抹消登録となります。もう一度登録するということができませんので注意してください。

126cc~250cc以下のバイクの廃車

二輪の軽自動車の廃車手続きは運輸支局にて行います。軽自動車届出済証を返納することで廃車となります。

必要な書類と手続き
・軽自動車届出済証
・ナンバープレート(返納する)
・申請書(運輸支局でもらう)
・手数料納付書(運輸支局でもらう。)
・委任状(代理人申請の場合) 
・印鑑

手続き終了後【軽自動車届出済証返納証明書】を受け取り廃車となります。

251cc以上のバイクの廃車

二輪の小型自動車の廃車手続きは運輸支局にて行います。自動車検査証を返納することで廃車となります。

必要な書類と手続き
・自動車検査証
・ナンバープレート (返納する)
・申請書(運輸支局でもらう)
・手数料納付書(検査登録手数料印紙350円)
・印鑑
・新委任状(代理人申請の場合)

手続き終了後【自動車検査証返納証明書】を受け取り廃車となります。

5-4 ) 名義と廃車に関する注意事項

名義変更や廃車手続きは買取業者が代行してくれることがほとんどです。
しかし個人売買や悪質な業者が名義変更や廃車手続きを行ってくれないトラブルがあるので注意が必要です。
バイクの名義が変わっていないと税金の請求が続きます。また、自分名義のバイクで事故や犯罪に使われ、巻き込まれることもあります。
買取の際には名義変更、廃車に関する手続きに関しては契約書をよく読み確認しておきましょう。

6) バイク買取に必要な書類と手続きの【まとめ】

バイクの買取に関する手続きは【名義変更】【廃車手続き】があります。これらの手続きを行う際は【道路運送車両法】による車両の区分によって手続きが異なります。
【第一種二種原動機付自転車】は【市区町村の役所】、他【二輪の軽自動車】【二輪の小型自動車】は【運輸局】が管轄になります。
バイクの名義は買取後の事故や犯罪に巻き込まれることもあります。必ず手続きを行い、信頼性が低いと感じたら自分で確実に行いましょう。