ローン支払い中のバイクでも
買取できるの?
仕組みから手続き内容まで徹底解説!

1) ローン支払い中のバイクは買取してもらえるの?

ローンの支払いが済んでいないバイクを売りたいけれど、勝手に売って良いのか、どんな手続きが必要なのかと悩んでいませんか?実はローンの支払いが残っていてもバイクを売ることができます。
基本的にローンが払い終えていないバイクを勝手に売り買いすることはできません。しかし、ローンを一時的に払い終えてバイクの買取を可能にする方法があります。
この記事ではローンの支払いが残っているバイクを買取してもらうための方法を仕組みの解説を交えて分かりやすく解説しています。
この記事を読めばローンが残っているバイクの売り方と、手続きについて理解を深めることができます。
実際にローンが残っているバイクの買取をしてもらいたいとお考えの方は参考にしてみてください。

2) ローン支払い中でも買取できる仕組み

2-1 ) 所有権を確認

車両には【所有者】と【使用者】があります。
【所有者】は車を所有する権利を持っている人です。
【使用者】は所有者より、使ってもいいよと承認されて実際に使用している人です。

ローンの支払いが済んでいないバイクは勝手に売買できません。なぜなら、ローンを組んだ時点でバイクの【所有権】はローン会社にあるからです。
ローン会社は支払いが済むまでバイクの所有権を持ち、もし支払いが滞ったときに損をしないための担保にしています。

つまり、 ローンを完済するまで【バイクはローン会社の物】なので、勝手に売買できないということになります。

所有権の確認方法はバイク登録関係の書類に記載されています。
125cc以下:標識交付証明書
126~250cc以下のバイク:軽自動車届出済証
250cc以上:自動車検査証

2-2 ) ローンを一時的に完済

ローンの支払いが終わっていないバイクを買取してもらうには、【ローンを完済】しなければなりません。ローンが残っているにもかかわらず買取が可能な業者は、この手続きに協力してくれる体制がある、ということです。

ローンが残っているバイクの対応方法は買取業者によります。すべての買取業者が対応しているわけではありません。
ローン完済の手続きの仕方もどこも同じではなく、法律とローン会社との規約に違反しないように各社それぞれの方法で行っています。

バイク買取とローンの完済を行う方法としていろいろな方法がありますが、基本的には以下の方法です。

・買取金からローンの残金を差し引き、返済を行って余りを買取金としてもらう。
・買取金からローンの残金を差し引いて、足りない分は追加で現金等を支払う。
・買取金からローンの残金を差し引いて、足りない分と新たに購入するバイクの代金を合わせてローンを組み替える。

このような方法を使って今組んでいるローンを完済します。

2-3 ) 完済証明書で所有権移行

ローンが完済すると、所有権をもらうことができます。所有権を証明するためには名義人変更の手続きが必要です。
ローンで購入したバイクの場合は支払いが終了したことを証明する【完済証明書】を発行してもらうことで証明とすることができます。

ローンが完済し、それを証明することでバイクの売買を行うことができるようになります。

3) ローン支払い中の状況別バイクの買取方法

ローンの支払いが残っているバイクを買取してもらうといっても状況によってできることが変わってきます。できることの違いから主な状況を3つに絞って解説します。

3-1 ) ローンが残っているけど新しいバイクに乗り換えたい

まだローンの支払いを終えていないバイクに乗っているけれど、欲しいバイクに出会ってしまった、今乗っているバイクの調子が悪い。など、色々な理由で新しいバイクが欲しい時、いわゆる【乗り換え】を前提としたバイクの買取という状況です。

【乗り換え】は今乗っているバイクの査定を受け、買取金とローンの残金を相殺する方法で買取してもらうことができます。
買取金がローンの残りより多ければ完済可能です。ローンの残りのほうが大きくて払いきれない場合は現金やローンの組み替えなどで一時的に完済し、買取してもらうことになります。

【買取方法】
買取金 > ローン残金 → ローン完済し、あまりの金額をもらう。
買取金 < ローン残金 → 不足分を現金で支払う。
買取金 < ローン残金 → 不足分と新規車両購入を合わせてローンを組み替える。

3-2 ) 乗らないのにローンが残っているバイクがある

ローンでバイクを購入したけれど、諸事情により乗らなくなった、乗れなくなったバイクがある。保持していても税金や自賠責の更新などお金がかかるだけ。ローンは残っているけれど買取してもらいたい。【バイクを売るだけ】という状況です。

基本的には乗り換えと同じく、買取金額を出してもらい、ローンの残金より多ければ完済後に余ったお金をもらいます。買取金がローンの残金より少なかった場合、新しくバイクを購入しないという点でローンの組み替えではなく不足分を現金で支払うことが必要になります。

【買取方法】
買取金 > ローン残金 → ローン完済し、あまりの金額をもらう。
買取金 < ローン残金 → 不足分を現金で支払う。

3-3 ) 支払いが厳しくローンを軽くしたい

バイクの乗り換えや継続有無ではなく、支払い金額を払い続けるのが厳しくて【ローン支払いの負担を減らしたい】という状況です。

ローンを終わらせるには現金を支払うかありません。現金を用意できなければバイクを買取に出すしかありません。支払いが厳しくて清算したいという場合は、今乗っているバイクを買取に出し、安いバイクに乗り換えてローンを組み替えるという方法もあります。

【買取方法】
買取金 > ローン残金 → ローン完済し、あまりの金額をもらう。
買取金 < ローン残金 → 不足分を現金で支払う。
買取金 < ローン残金 → 不足分と安い新規車両購入を合わせてローンを組み替える。

4) ローン支払い中のバイク買取の流れ

4-1 ) 買取査定

買取査定は通常の買取と同じ基準で行われます。買取店によってはローン手続きを代行する手数料として買取金額から差し引かれる場合があります。買取前にローンの状況を説明し、査定額への影響を確認しておきましょう。

【査定のワンポイント!】
バイクを査定してもらう前にはバイクを洗車し、普段行っているメンテナンスなど査定だけではわかりにくい点もしっかりアピールします。カスタムなどを行っている場合はカスタム前の部品も持って行くことで査定額が上がることがあります。

4-2 ) ローン残金の清算

バイクのローン残金を確認します。バイクの買取金額よりローン残金が少なければ差額をもらうことができます。足りていない場合は現金やフォロークレジット、ローンの組みかえなどを行い、今所有権が発生しているローンの清算を行います。

・買取金相殺
・不足分を現金
・不足分をフォロークレジット払い
・不足分と新車購入でローン組み替え

【フォロークレジット】とは
ローンの残っているバイクを買取してもらう際に買取額がローン残債より少なかった場合、不足金を補うためのクレジット。通常のクレジットと違い用途が限られ、利用可能金額も15万~20万前後の設定。
あくまでローンの残っているバイク買取時の不足分フォローのためのクレジットです。

4-3 ) 所有権の移行

ローンを完済すると所有権の移行手続きを始めることができます。【完済証明書】の発行はローン会社によってタイミングが異なります。完済直前に送られてくる場合、完済後しばらく経過してから送られてくる場合などがあります。完済後の手続きに必要なので依頼すれば発行してくれます。待てない場合はこちらから依頼しましょう。

移行手続きに必要な書類をローン会社から取りそろえ、運輸局などに持って行き【所有権の移行手続き】を行います。

手続きの場所
125cc以下のバイク【市区町村の役所】
126cc~250ccのバイク【運輸局】
251cc以上のバイク【運輸局】

4-4 ) 買取

所有権の移行を行い、正式に書類上の買取が終了します。ただ、実際の買取手続きはこの手順が行われる前提で契約を行い、通常の買取と同じように話が進んでいきます。手続きを正しく行わないと契約不履行となりますので何をどこまでするのか、買取時にしっかりと確認しておきましょう。

5) 買取店による手続きの違い

5-1 ) 完済手続き代行

ローンの完済手続きなど一切を代行してくれる業者とそうでない業者があります。代行してくれない場合は通常のバイク買取時のように取引を行い、買取金を受け取り後自分で完済手続きを行うことになります。

5-2 ) 不足金の取り扱い

不足金の取り扱いは大きく3つに分けられます。
・現金で支払い
・フォロークレジットの利用
・ローンの組み替え

これらは自由に選べるのではなく買取業者によってやり方が決まっています。不足金をどのように支払うのかは事前に問い合わせて確認しておきましょう。

5-3 ) 買取の可否

ローンの支払いが終わっていないバイクの買取に関しては、どの買取店でも対応しているわけではありません。
ローン会社とのやり取りや手続き方法、クレジット会社との提携状態などから行っていない場合もあります。
バイクを買取してもらう際は「ローンが終わっていないのですが」ということをはじめに伝えておきましょう。

6) ローンの種類

6-1 ) バイク購入時に組んだローン

バイク購入時に組むローンは【銀行】や【信販会社】等に【目的を決めて】お金を借ります。借りる目的も定められていて、住宅や車両など一般的に一括払いが難しいとされる高額な支払いを要する買い物をするときに利用します。今ある収入や財産では購入困難な買い物ができます。
しかし、長期間分割して利子を払いながらお金を返していくので、通算すると高額な利子を払うというデメリットもあります。

6-2 ) キャッシングを利用したローン

現金を借りて買い物をします。目的や対象物は決められていません。日常経費の不足を補う程度の利用目的であるため高額な借り入れはできません。借りる人の社会的信用にもよりますが、一般的な初期利用では10万円~20万円程度が借入限度額です。
所有権や使用目的の取り決めが少なく自由な反面、使いすぎて返済に苦しむ人も多くいます。お金がわいてくる魔法ではありません。しっかりと自分で返済計画を立てる必要があります。

6-3 ) クレジットを利用したローン

クレジットでの買い物はキャッシングと混同されがちですが、購入品の所有権が支払いが終わるまでクレジット会社にあることはあまり知られていません。
クレジットでの支払いは消費者本人に代わってクレジット会社が代金を支払っています。契約の趣旨は家や車を購入するときのローンと同じで、支払いが滞った場合購入した商品が担保となります。食品や日用品、消耗品は対象外で、そういった商品の購入が多いため所有権について問題になることはほとんどありませが、所有権がどうなっているのかは知っておきましょう。

7) ローンを組む会社の種類

7-1 ) 銀行の特徴

銀行でのローンは使用目的の種類が少なく利用できるものが限られています。【金利は低め】で、保証人を【保証会社】に依頼できるため保証人を立てる必要がありません。住宅ローンのように家を買うことができるくらい【借入金額も高額】のローンを組むことができます。
ただし、信販会社に比べて【審査が厳しい】です。収入や今までの返済歴等によっては審査が通らずお金を借りることができないこともあります。

7-2 ) 信販会社

銀行ではない金融会社全般を指す言葉です。消費者金融、クレジットカード会社などを含みます。
銀行との大きな違いは【預金という資金源がない】ことや、法律が【貸金業法】により規制されていることです。貸金業法ではお金を貸せる上限額や返済方法等が定められ、消費者が借金によって無謀な借り入れや不利な取り立てをされないよう規制されています。
銀行と比べて【審査は通りやすい】ですが【借入金額は低く】、【金利は高い】傾向になります。

8) ローン支払い中のバイクの買取【まとめ】

ローンの支払いが残っているバイクを買取してもらうためには、今組んでいるローンを完済しなければなりません。しかし完済するまで待たなくてはならないわけではありません。
バイクの買取とローンの完済を同時に行うことが可能な業者に買取依頼することでローンの支払いが残っていてもバイクを買取してもらうことができます。

実際に買取してもらう際には【買取金額】と【ローンの残金】どちらが大きいかで対応も変わってきます。再度ローンを組み替える場合はローンの仕組みや特徴、会社の種類を考えて、自分に合った方法を選びましょう。

ローンの仕組みや買取方法、ローンの組み替えを選ぶ際に今回の記事を参考にしていただき良い買取業者を見つけていただけたらと思います。